田舎臭さ

どんな味噌なんですか?とよく聞かれる

「生みそ」です「天然醸造」でつくってますと僕は答える

すると、いつもポカーンとされてしまう

(これは知識があればすんなり分かる表現なんだけど)

分かってる、みんなが知りたがっていることはそんなことじゃなくて、

ただ単純に味なんだと 味が知りたいんだと 味噌の味

これがやっかいだ 味なんて主観でしかないように思うし、味覚って曖昧だ(とも思う)

 

ある時、うちが味噌を卸している旅館のお客さんが味噌屋にやってきた

朝食で食べた味噌汁が美味しかったらしい

「あの田舎臭い味って言うんですか、家に帰ってもまた食べたいなあって、

旅館の人に場所聞いて来たんですここ」

と、うちの味噌をお買い上げくださった

その時、これだ!と思った

それが僕がいうところの「生みそ」であったり「天然醸造」なんだと

それらが成せる味が「田舎臭さ」なのである、、、たぶん

田舎のおばあちゃんちで食べた味噌汁の味であったり、どこか懐かしさを感じる味、

俗にいう「おふくろの味」ってやつもそうなのかもしれない

その「田舎臭さ」がつくり上げた味なのだ、、、きっと

 

ところで、懐かしいって感覚は不思議だ

出来上がった糀の匂いや、大豆を蒸している時の匂いは

僕をいつも懐かしい気持ちにさせる

その匂いに触れた瞬間、その匂いがそれにまつわる記憶を誘発する

僕はまだ小さい でもその小さな僕はその匂いを覚えた

一生忘れないのかもしれない この匂い

それがいま役に立っている ひとつの基準になっている

 

 例えば、僕の感じるこの匂いはみんなが感じている「田舎臭さ」なのかもしれない

 

龍馬が生まれた町より

2019年2月4日

宇田 卓生